東京工業大学附属科学技術高等学校
地歴・公民科
地歴・公民科の学習で目指すもの ~私たちの考える教育目標・教育理念~
暗記だけのつまらない科目だと思っていませんか?
人たるもの,生きていればさまざまな場面で選択に迫られます。右に行こうか左に行こうか,いま勉強しようかあとにしようか・・・,そのたびにみなさんは何かしら意思決定をするわけです。
さて,みなさんはどうやって意思を決めていますか?すでに経験したことなら結果を予想できるでしょう。しかし,初めて直面することだったらどうしますか?自分で決められないからと言って,
ゲタの表裏とか
サイコロの偶数と奇数とか・・・,そんな偶然に頼りますか?
まじないや迷信,心霊現象や超常現象に頼りますか?
もしそう考えるのなら,あなたはまだ「人はなぜ勉強するのか」という問いに,答えが用意できていないのかも知れません。一つのヒントとして私たちは次のように考えます。
筋道を立てて物事を考える。これこそが「学び」の核心です。
目の前の社会課題を様々な角度から斬り,いま実現すべき目標を定める。そして可能な限り多くの代替案をひねり出し,制約条件を照らしながら何が最適なのか,解を導き出す。このとき私たちの道しるべとなるのが,問題解決のメソッド(手法)です。
問題解決のメソッド(手法)によりながら,社会的なものの見方・考え方を発揮し,最適解を選び出していく,その過程で「主体的で深い学び」が実現するものと,私たちは考えます。これこそが本校ならではの新しいタイプの地理歴史科・公民科教育であり,18歳成年に対応した主権者教育の新しい切り口だと思っています。
人類の歴史は,科学技術の進歩に伴う生産力の拡大とともに,大きく変革を遂げてきました。産業革命がよい例ですが,ローマ帝国の滅亡も,神聖ローマ帝国の崩壊も,二度の世界大戦も・・・,科学技術の進歩とそれに伴う生産力の変化に関係していると言えます。つまり,科学技術の発展が歴史を動かしてきたといっても過言ではありません。歴史も経済も,政治も,科学技術も・・・すべてが関連し合いながら今日の文明を作り上げてきたのです。この話を聞いただけでも興味がわくのではないでしょうか。
私たちは,紙と黒板だけで授業をしていません。ある時は図版を,ある時は映像・画像を,音を,そしてパソコンやインターネットといったICTを活用した教育に力を入れています。
受け身の授業から,発想力と問題解決力を身に付ける授業へ。
全員参加で,みんなが聞きたくなる授業へ。
「あと5分でいいから話を聞かせてくれ!」これこそが,私たちにとって最高の褒め言葉です。(文章責任:遠藤)